The following two tabs change content below.

三上 光徳

士業が生み出す付加価値の拡大を支援するコンサルタント。公認会計士でもある。 ⇒詳しいプロフィールはこちら
Pocket

 

こんにちは、三上です。

 

先日、LINE株式会社の上場に関する以下の記事を書いたのですが、

[kanren postid=”702″]

そのときに驚いたことがありました。

 

それは、

ミクシィ(mixi)の直近の売上高が半端ない!
その額2000億円超!

 

LINEと比較するために、適当に比較対象として分かりやすい会社を探していたのですが、その額に目を奪われました。

実は最初は、

三上
今みているこのサイトが入力を1桁間違ったのかなぁ

と思いました。

 

しかし、間違いではありませんでした。

ということで今回は、かつて国内SNSを制したともいえるミクシィ(mixi)に何が起こったのかを、有価証券報告書から読み解いていきたいと思います。

衝撃の売上高・当期純利益の推移

過去10年の売上高と当期純利益

まずは過去10年の数値から。長いので、2段にしてます。

’07年3月期 ’08年3月期 ’09年3月期 ’10年3月期 ’11年3月期
売上高 52億円 101億円 121億円 136億円 169億円
当期純利益 11億円 20億円 19億円 13億円 14億円
’12年3月期 ’13年3月期 ’14年3月期 ’15年3月期 ’16年3月期
売上高 133億円 126億円 122億円 1129億円 2088億円
当期純利益 7億円 17億円 △2億円 330億円 610億円

 

過去10年の推移をグラフでみてみよう

ちょっとピンとこないと思うので、グラフにしました。

uriage_suii_3

 

通りがかりの人
’14年3月期には最終赤字に転落してるのに、そこから一体何が・・・

 

売上高2000億円とはどの程度のものか

ざっくりとしたイメージ

まず、イメージとしては“相当に大きな企業”です。

『企業価値検索サービス Ullet(ユーレット)』というサイトで調べたところ、2000億円という売上規模は上場会社約4000社の中で589位に位置しています(2016年7月時点で調査)。

 

売上高2000億円程度の有名企業

といってもやはりまだイメージがわかないと思うので、同じ程度の売上高の有名企業をピックアップしてみました。

会社名 決算期 売上高 当期純利益
ミクシィ 16年3月期 2087億円 610億円
東宝 16年2月期 2294億円 258億円
スクウェア・エニックス・ホールディングス 16年3月期 2141億円 198億円
カゴメ 15年12月期 1956億円 34億円
日本マクドナルドホールディングス 15年12月期 1894億円 △349億円
吉野家ホールディングス 16年2月期 1857億円 8億円
Twitter Inc 15年12月期 22億ドル
(2200億円)
△5億ドル
(△500億円)

そうそうたる企業が並んでいますよね。

売上高2000億円とはそれだけ大きな規模ということです。

 

そんな規模までここ2、3年程度で急激に成長しているのです。

 

ミクシィ(mixi)の売上高2000億円の中身とは?

事業別の内訳

有価証券報告書から数値を拾ってみました。

 

<売上高の内訳>

事業区分 ’15年3月期 ’16年3月期
エンターテインメント事業 1022億円 1954億円
メディアプラットフォーム事業 107億円 134億円
合計 1129億円 2088億円

 

グラフにしてみるとこんな感じです。

uriageuchiwake1503

 

uriageuchiwake1603_3

そうです、グラフが示しているとおり、90%以上は『エンターテインメント事業』が占めているのです。

さて、『エンターテインメント事業』とは何でしょうか?

 

それぞれの事業の中身は?

平成28年3月期 有価証券報告書の「第1 【企業の概況】 3【事業の内容】」から、内容を要約してみました。

事業区分 事業内容 収益源
エンターテインメント事業 スマートフォンネイティブゲームの提供

⇒「モンスターストライク(モンスト)」

  • ユーザーからの有料サービス利用料
メディアプラットフォーム事業 インターネットを活用したB2C及びC2Cサービスの運営

⇒SNS「mixi」

  • ユーザーからの有料サービス利用料
  • 企業側からの広告料

 

細かい部分は無視してザックリ言ってしまうと、

  • エンターテインメント事業=『モンスト』
  • メディアプラットフォーム事業=SNS『mixi』

です。

 

そして、直近期である2016年3月期は、なんと『モンスト』だけで2000億円近くの売上をたたき出しているのです!

『モンスト』、よく知らないけどスゲェ!!!

 

直近2年の急激な伸びの原因は至極簡単、『モンスト』でした。

 

通りがかりの人
’14年3月期にSNS「mixi」を中心とした事業で赤字転落。しかし「モンスト」が現れて救世主となった、という感じですか。

 

モンスターストライク(モンスト)って何?

えーとですね、、、

【モンスターストライクってどんなゲーム?】

4人まで同時協力プレイ可能なアクションRPGゲームです。
自分のモンスター(ボール)を指で弾くだけの簡単操作。
友達とも、彼女とも彼氏とも、先輩とも後輩とも、お子さんとでも一緒にハンティング!

出典:モンスターストライク(モンスト)公式サイト

とのことです。

 

えーと、全く知らないので私の想像で申し訳ないのですが、

monst1

こんなモンスターとか、

 

monst2

こんなモンスターが、

 

monst3

こんなやつと戦うのかな。

 

・・・すいません、『モンスト』自体については、各自ググることをお勧めします。

 

最後にちょっとだけ会計の話

 

イヌ『ゲーム業界は流行り廃りがあるので、売上高の推移は変動が大きくなりがちだよ。将来の見通しに注意しよう。

また、ゲーム開発費用の会計処理には注意が必要だよ。貸借対照表の資産(無形固定資産、ソフトウェア仮勘定etc)が膨らんでいるケースは、その回収可能性(将来的に売上を獲得できる資産なのかどうか)に注意しよう。回収可能性が無い場合は、将来、多額の損失が計上されるよ。ミクシィについてはそもそも資産計上額が少ないので(多くが既に費用処理されていると思われる)、この心配はなさそうだね。

 

まとめ

ミクシィといえば、SNSの「mixi」だったのに、いつの間にか「モンスト」のミクシィになってました。

変化がとんでもなく早いですね~。

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Pocket