三上 光徳
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こんにちは、三上です。
無料通話アプリ『LINE』のLINE株式会社が、2016年7月15日に東京証券取引所第1部に新規上場しました。初値ベースでの時価総額(これだけ払えば会社をすべて買うことができるという金額)は約1兆円で、今年最大のIPO(新規株式公開)となる見通しとのことです。
ちなみに同社は、前日の14日(現地時間)にはニューヨーク証券取引所にも上場しています。
そこで今回は、LINE株式会社の「有価証券届出書」から、直近期である2015年12月期についての売上などの主要な数値を抜粋して、その概要をお伝えしたいと思います。なお、2017年1月25日にLINE株式会社の「16年12月期決算短信」が発表されていますので、当ブログ中にも【速報】として追記しています。
LINE株式会社が適用している会計基準
日本の会計基準ではなく、『国際会計基準(IFRS)』を適用しての上場です。
米国市場にも同時上場しているので、『国際会計基準(IFRS)』が選択されたのではないかと思われます。
ちなみ、『国際会計基準(IFRS)』についてはこちらの記事もご参照ください。
[kanren postid=”680″]
LINE株式会社の経営成績の概況
まずは、概要。
有価証券届出書の内容をそのまま貼り付けてみます(主要なところは後ろのほうで個別にみていきます)。
これだけだとよく分からないと思うので、以下ではもう少し細かくみていきます。
[voice icon=”https://m-associates.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/inu.jpg” name=”イヌ” type=”r line”]ところで『連結』という言葉が登場するけど、これは“企業グループ全体で”という意味だよ。親会社(LINE株式会社)とその子会社すべてを合算して、グループ内での内部取引は取り消したものを「連結財務諸表」というんだ。
ちなみに今回の吹き出しは「LINE」風だよ』
売上収益(=売上高)と当期純利益
分かりやすく表現するとこんな感じです。
<LINE株式会社の損益推移>
13年12月期 | 14年12月期 | 15年12月期 | |
売上収益 | 395億円 | 863億円 | 1206億円 |
当期純利益 | △63億円 | +20億円 | △79億円 |
※【速報】2017年1月25日に発表されたLINE株式会社の決算短信によると、16年12月期は、売上収益1407億円、当期純利益+79億円とのことです。
これをグラフにしてみるとこんな感じです(著者作成)。
直近の3期に関しては、売上は順調に伸びているようです。
しかし、まだまだ当期純利益を十分に確保している状況にはありません。
[voice icon=”https://m-associates.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/komarigao.jpg” name=”通りがかりのひと” type=”r line”]金額大きすぎるし、比較対象がなくてよく分からないッス・・・』
ということで、有名な会社の売上高&当期純利益と比較してみました。
会社名 | 決算期 | 売上収益 | 当期純利益 |
LINE | 15年12月期 | 1206億円 | △79億円 |
トヨタ自動車 | 16年3月期 | 28兆円 | 2兆円 |
ソフトバンクグループ | 16年3月期 | 9兆円 | 4741億円 |
三越伊勢丹ホールディングズ | 16年3月期 | 1兆円 | 265億円 |
オリエンタルランド | 16年3月期 | 4653億円 | 739億円 |
ミクシィ | 16年3月期 | 2087億円 | 610億円 |
ディー・エヌ・エー | 16年3月期 | 1437億円 | 113億円 |
GMOインターネット | 15年12月期 | 1263億円 | 134億円 |
Facebook (米NASDAQ) |
15年12月期 | 179億ドル (1兆7千億円) |
36億ドル (3600億円) |
Twitter Inc (米NewYork) |
15年12月期 | 22億ドル (2200億円) |
△5億ドル (△500億円) |
※ 海外企業については、簡便的に1ドル=100円で換算しました。
[voice icon=”https://m-associates.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/inu.jpg” name=”イヌ” type=”r line”]新規上場の直前期に売上収益が1000億円を超えちゃってるのはすごいね!既にTwitter社は射程圏って感じかな』通りがかり『こうやってみるとトヨタってやっぱりすごいな・・・
ミクシィは『モンスト(モンスターストライク)』のヒットがけん引してるみたいですね』
キャッシュフローの状況
分かりやすく表現するとこんな感じです。
<LINE株式会社のキャッシュフロー推移>
13年12月期 | 14年12月期 | 15年12月期 | |
営業キャッシュフロー | +8億円 | +124億円 | +69億円 |
投資キャッシュフロー | △28億円 | △129億円 | △122億円 |
財務キャッシュフロー | +80億円 | +64億円 | +188億円 |
※【速報】2017年1月25日に発表されたLINE株式会社の決算短信によると、16年12月期は、営業キャッシュフロー+287億円、投資キャッシュフロー△340億円、財務キャッシュフロー+1066億円とのことです。
キャッシュフローとは、簡単にいうと実際の現金&預金の動きのことで、会計上の売上や費用とは生じるタイミングにズレがあります。
各キャッシュフローの意味するところは、おおよそ以下のようなイメージです。
- 営業キャッシュフローは、売上収益による入金から、人件費や経費などの営業費用に伴う出金の差引き金額
- 投資キャッシュフローは、ソフトウェアや機械設備などの取得や、子会社株式などの取得に伴う出金額
- 財務キャッシュフローは、借入等による調達額と返済額の差引き金額
[voice icon=”https://m-associates.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/inu.jpg” name=”イヌ” type=”r line”]営業キャッシュフローは3年連続でプラスを確保してるね。
財務戦略で確保したキャッシュフローを投資へ振り向けるという流れも当面は続きそうだね。』
サービスごとの売上の割合ってどんな感じ?
サービスごとの売上の割合を円グラフにしてみるとこんな感じになりました。
LINE株式会社の有価証券届出書によると、それぞれの言葉の意味するところは以下のような内容です。
- コンテンツ(約493億円、全体の41%)
主にLINE GAMEの仮想アイテムの販売によるもの - コミュニケーション(約287億円、全体の24%)
主にLINEスタンプ及びクリエイターズスタンプの提供によるもの - LINE広告(約265億円、全体の22%)
主にLINE公式アカウント、LINEフリーコイン及びLINEスポンサードスタンプの提供によるもの - ポータル広告(約99億円、全体の8%)
主にlivedoor及びNAVERまとめでの広告によるもの
気になる株主構成は?
こちらも有価証券届出書から上位10名分だけ貼り付けてみます。
[voice icon=”https://m-associates.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/inu.jpg” name=”イヌ” type=”r line”]韓国のNAVER Corporationが全体の87%超を保有してるね』
通りがかり『ちなみにNAVER Corporationが運営する「ネイバー(英語: NAVER、韓国語: 네이버)」は、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイトらしいです。
以上、ウィキペディアより』
まとめ
将来性に関しては色々と観測があるようですが、LINEのアプリには普段お世話になっているので頑張ってほしいです。