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三上 光徳

士業が生み出す付加価値の拡大を支援するコンサルタント。公認会計士でもある。 ⇒詳しいプロフィールはこちら
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こんにちは、士業専門集客コンサルタントの三上です。

司法書士の皆さまは、今後の事務所の生き残りについて“危機意識”を持っておられるでしょうか?

司法書士の試験は非常に難しいですが、ようやく合格したと思っても簡単に集客できるものではありません。
うまく営業・集客できずにお悩みの先生方も多いのではないでしょうか?

また、今は事務所が安泰という場合でも、今後いつまでもその状況が続くとは限りません。
業務の分野が限られていることや司法書士の数が増え続けていること、今後AI(人工知能)の発達によって仕事を奪われる可能性があることなど、司法書士を取り巻く事務所経営のリスク要因が非常にたくさんあります。

ということで今回は、司法書士が営業するときに持つべき“危機意識(危険要因)”について考えてみたいと思います。

factor1.登記申請業務の縮小

多くの司法書士の先生方の主力業務は、「登記申請業務」です。
一時期、債務整理が脚光を浴びましたが、結局取り扱っていないという先生も多いですし、基本は手堅く不動産登記で事務所を運営しているというケースが多いのではないでしょうか。

しかし、不動産登記の件数は、近年減少傾向にあります。
法務省の統計によると、平成4年には約1,800万件あったものが、約25年後の平成28年には約1,100万件にまで減少しています。
今後もこの減少傾向が続いていく可能性が高いです。

また、不動産登記業務の専門性が低下し、一般の方が自分でできるようになっているという事実もあります。
特に今はインターネットに情報が溢れており、多くの人が簡単に不動産登記の解説記事にたどり着いて、自分で登記申請書を作成してしまいます。
こうなってくると、数万円、数十万円という代行手数料を支払って、不動産登記を司法書士に任せようという人が減ってくることは容易に予想されます。

factor2.債務整理案件の縮小

次に債務整理をみてみましょう。

特に、平成14年に認定司法書士制度ができてからは債務整理分野に参入し、過払い金請求などで大きな利益を上げた司法書士の先生方もたくさんいらっしゃいました。

ところが、既に過払い金が発生しなくなってから10年程度が経過して、過払い金請求権はどんどん時効にかかっています。
これからは過払い金請求をする方がほとんどいなくなるでしょう。

そうなってくると、債務整理事件を弁護士と取り合うことになり、取り扱える事件の範囲が限られる司法書士には分が悪くなります。
司法書士が取り扱う債務整理事件の案件は縮小せざるを得なくなるのは間違いありません。

factor3.人口減少

日本の人口全体が減少傾向にあることも問題です。
すでに日本の人口増加率はマイナスに転じており、これからもその傾向は顕著になっていくでしょう。
長期的に人口が減少すれば、登記や債務整理、相続などの件数も連動して減り、当然司法書士の仕事も減少していってしまいます。

factor4.司法書士人口の増加

日本の全体的な人口が減少し、司法書士の仕事が減少傾向にある中で、司法書士の人口はどのように推移しているのでしょうか?

ご存知の方も多いと思われますが、司法書士人口は増加傾向にあります。
平成4年には約1万6,500人しかいなかったものが、平成28年には約2万2,000人まで増えており、大幅に増加しています。

この数字を、先ほどご紹介した不動産登記の業務件数との関係でみてみましょう。
司法書士1人あたりの年間の不動産登記件数を単純計算すると、以下のようになります。

平成4年 平成28年

司法書士1人当たりの
不動産登記件数

約1,090件 約500件

平成4年においては約1,090件でしたが、平成28年には約500件にまで減少しています。

このように、司法書士の主力業務である不動産登記業務の仕事を獲得しにくくなっているというのは客観的にも確認することができます。すなわち、司法書士の先生方の営業が厳しくなるのはデータ的にも当然なのです。

factor5.マイナンバー制度と相続

平成28年からマイナンバー制度が導入されていますが、これによって司法書士の業務が脅かされる可能性もあります。

法務省は、マイナンバーと戸籍情報を連携させることを検討しています。
それが実現したら、マイナンバーをたどることによって簡単に法定相続人を明らかにできます。
そうなると、司法書士の業務である「相続人調査(戸籍調査)」が不要となります。

また、不動産登記における「住所」「氏名」などの変更登記も自動化される可能性が高いです。
法定相続分の通りに相続するのであれば、不動産の相続登記すら自動化可能です。
相続業務に力を入れている司法書士の先生には、非常に厳しい状況となってしまう可能性があります。

実際にヨーロッパの「エストニア」では、マイナンバー制度によって税理士業務がなくなっています。
マイナンバーと個人の所得情報、口座情報がリンクしたため、ネットで自動的に確定申告できるようになったのです。
また「会社設立」もネットによって10分程度でできるようになっていますし、不動産契約や登記についても電子署名によってネット上で完結します。

このような事例を見ていると、日本でも決して他人事ではないことがわかります。
AIと司法書士業務の関係については、今後も注視して行く必要があります。

factor6.AI(人工知能)と各司法書士業務の関係

ここでは、AI(人口知能)とそれぞれの司法書士業務の関係がどうなるのか、予想してみたいと思います。

6-1.登記申請業務

登記申請業務についてはAIによってかなりの部分を奪われる可能性があります。
今でもインターネットを通じて素人がなんとかやれる時代になっているのですから、司法書士への依頼が大きく減少していく可能性があります。

6-2.会社設立

会社設立業務についてもAIに奪われる可能性があります。
ただし、AIによって手続き自体は可能となっても、どのような会社を作るのか、会社設立をした後どのような事業展開をするかなどの相談・アドバイスについては人間が行う必要性が残ると考えられます。

6-3.相続案件

相続案件も、相続人調査や相続財産調査、不動産登記申請や遺産分割協議書作成、相続関係図作成などの業務は、AIに代替される可能性が高いです。
ただし、具体的にどのようにして遺産分割を行うのか、どういった遺言書を作成すべきかなどの相談・アドバイス業務は人間が行う必要があるでしょう。

6-4.債務整理

債務整理は債権者との交渉が必要となったり裁判所への申立をしたりしないといけないので、比較的AIによって仕事を奪われにくいと思われます。
ただし、遠い将来においては、裁判所への申立などもAIによってできるようになるかもしれません。

6-5.離婚案件

離婚の相談を受けている司法書士の先生もおられますが、離婚協議書の作成業務などはAIに奪われてしまうかもしれません。
ただし、その前提としてどのような条件で離婚すべきかなどの相談やアドバイスは人間が行う必要があるでしょう。

まとめ

司法書士を取り巻く環境は年々厳しくなっており、今後もその傾向が続く可能性が高いといえます。
これから司法書士が生き残っていくためには、営業・集客・マーケティング上の工夫が必要不可欠です。
このブログでは、さまざまな手法や考え方を紹介していくので、是非とも参考にしてみてください。

 

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