三上 光徳
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こんにちは。
司法書士・社労士・税理士・弁護士など(五十音順)の士業専門 集客コンサルタントの三上です。
今回のテーマは、『営業(セールス)フローの構築』です。
士業の“営業(セールス)フロー”とは?
顧客は、『商品を購入する』という決断をいきなりするわけではありません。
これは士業の場合も同様で、何の判断も無しにいきなり顧問契約をお願いしてくることなどはかなり稀です。
あるとすれば、単純に価格の比較を行って安かったからお願いしてくるようなケースしょう。
まず一般論でいうと、見込み客は例えばこんな感じで決断に至ります。
- 商品を知り、
- 商品を理解し、
- 他と比べ、
- その情報をもとにさらに調べ、
- 試しに使えるんだったら使ってみて、
- 安い物があれば買ってみて、
- それを使ってみて、
・・・
そしてやっと、
- (本命の)『商品を購入する』
という決断をします。
本命商品が高額であればあるほどこの過程は長くも複雑にもなるでしょう。
どんなに良い商品を持っていたとしても、どんなに良い商品を開発することができたとしても、この営業(セールス)フローをしっかりと構築しなければ、実際に売ることはなかなか苦労することでしょう。
士業以外の例を使って、営業(セールス)の仕組みを概観してみよう
とあるマッサージ屋さんを例を見てみましょう。
士業の多くは、この“営業(セールス)フローの構築”に無頓着ですが、士業以外の世界では、この営業(セールス)フローが実に巧みに作りこまれています。
私の住まいの近所にマッサージ屋さんがあるのですが、そこの例を使って簡単に説明したいと思います。
“顧客目線を徹底”し、顧客の状況に合わせて情報や商品を提供する
「肩が凝ったなぁ」
そう感じたとき、どのような行動をとるでしょうか?
まず、現代であれば、ネット検索をするのではないでしょうか。
そして評判を調べます。
評判がよさそうなお店のホームページを確認します。
割引などがないか調べます。
私の近所でかつ評判の良いマッサージ屋さんは、初回だけ1000円と破格の値段でした。
こうなると、もはや行かない理由がありません。
・・・
施術が終わりました。
腕も確かでした。
短時間でしっかり凝りをほぐしてくれます。
施術が終わると、私の体の状況を丁寧に説明してくれました。
合わせて、次回以降の方針と私の状態に合わせた来院頻度を伝えられました。
次回以降は、1回約15分で3000円程度。
時間単価としてはかなりの高単価です。
しかし、3000円という金額だけを見ると決して高くはありません。
非常にうまい設定です。
帰り際、そのお店のニュースレターを渡されます。
その後も定期的にダイレクトメールが送られてきます。
さらに、店内では健康関連の商品が置かれていました。
ポップを使い、うまくアピールしています。
可愛らしいキャラクターも描かれています。
待ち合いの席の近くには、動画を流して関連商品のアピールをしています。
また、お客様の声や施術者の自己紹介が紙で貼られています。
これをみると、効果が出るんだという期待感、施術者への親近感が無意識的に醸成されます。
“意図的に”構築された営業(セールス)のフロー
このマッサージ屋さんが戦略的に、意図的に営業(セールス)フローを構築しているということはほぼ確実でしょう。
決して偶然でこうはなりません。
・・・
さて、翻って、
士業であるあなたは戦略的に“営業(セールス)フロー”を構築しているでしょうか?
何の戦略もなしに、『1回15分で3000円』という看板だけを掲げていないでしょうか?
“士業が戦略的営業(セールス)フローを構築してはいけない”という決まりは当然ながらありません。
しかし、多くの士業はやっていないのです。
これはある意味大きなチャンスではないでしょうか。
逆に、今やっておかないと、気付いた時には遅れをとっているということになりかねないともいえます。
営業(セールス)フロー構築に関する基本的考え方
まずはじめに、知っておくべき基本的考え方を説明します。
『フロントエンド商品』と『バックエンド商品』
『フロントエンド商品』とは、顧客の目を引くための商品です。
利益を出すのが目的ではなく、顧客を呼び寄せるのが目的です。
マッサージ屋さんの例でいうと、『初回のみ1000円』という商品です。
『バックエンド商品』とは、本命商品のことです。
ここでしっかりと利益を稼ぎ出すような商品である必要があります。
マッサージ屋さんの例でいうと、2回目以降の『1回15分で3000円』という商品です。
『関連商品』も用意する
フロントエンド、バックエンドの他に、それらに『関連する商品』も用意しておくとその分売上もアップします。
マッサージ屋さんの例でいうと、店内で販売されている健康関連の商品がそれにあたります。
本命商品であるマッサージと併用することでより効果を発揮するのであれば、むしろ用意しておかなければいけないし、セールス(営業)をするのは義務と言っても言い過ぎではないでしょう。
もしかすると、セールス(営業)をしないことそれ自体がクレームにつながる可能性さえもあります。
士業の営業(セールス)フロー構築
あくまで例にすぎませんが、士業の場合は以下のような商品を持っているケースが多いのではないでしょうか。
- 専門知識に基づいたセミナー
- メールマガジン
- 定期的なニュースレター
- 無料相談
- 有料相談
- 士業の独占業務
- 関連コンサルティング
- 自身で開発したオリジナル商品
営業(セールス)の順序と、価格を見せるタイミング
手持ちのメニューを、フロントエンド、バックエンド、関連商品のどこに位置づけるかは戦略として明確にもっておく必要があります。
そのときに大切なのは次の点です。
■顧客の“商品価値に対する理解の程度”を考慮してセールスフローを考える。
いくら商品が良いものであったとしても、顧客がいきなりその価値を理解することはほぼ不可能です。
士業の仕事は、極めて専門性が高いです。
われわれ士業は、ある意味慣れてしまっておりそのことを忘れてしまいがちですが、素人である顧客が商品を理解するにはかなりの“教育”が必要となります。
具体的には、セミナーやメルマガやニュースレターや無料相談などでしっかりと価値を伝え、理解してもらうことが重要になります。
そして、さらに大切なのが
■顧客が“商品価値を理解したその後に価格を提示する”
ということです。
例えば、エルメスというブランドを全く知らない人に、
【エルメスのバック50万円】
という価格を提示したら買わないどころかその場から逃げ出すのではないでしょうか。
しかし、
そのブランドの歴史、世間での評価、それを持つことのメリットや意義や価値を十分に理解してもらった後であれば購入するかもしれません。
少なくとも逃げ出すことはないでしょう。
あるいは、テレビショッピングなんかも同様です。
いきなり価格の提示はしません。
まずは、商品の価値を十分にアピールします。
そして、最後の最後に価格を提示します。
そんな映像を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
そして、士業ならではの重要ポイントが次の点になります。
それは、
■“士業の独占業務”を営業(セールス)フローに効果的に配置する
ということです。
“独占業務”それ自体を一番の本命商品として位置付ける必要は全くありません。
フロントエンド商品かもしれませんし、フロントエンドからバックエンドにつなげるための商品かもしれません。
“独占業務”は、利益率的には旨味がなかったとしても他の業者が参入できないという大きな特徴(強み)をもっています。
士業はその特徴(強み)を大いに生かしたセールスフローを構築することが非常に大きなポイントとなります。
“資格を有している”ということを、ここで最大限に生かすことを考えましょう。
資格を生かして良いポジションを積極的に取りにいくという意識を持つことが大切です。
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